ブッ飛んだ人々

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『オフィス北極星』の話

 久々に体重計に乗ったところ、驚きの数値が出た。なんと、3月の体重と比べて10㎏近く減っていた。瘦せたというよりも、やつれたと言い表すのが妥当だ。ヤバい。大学生の頃に穿いていたズボンですら腰回りが緩いよ。どうなるの俺。

 さて、愚にもつかない近況を述べたことだし、さっそく本題に入ろう。以前の記事でチラッと触れた漫画、『オフィス北極星』の話だ。大学生の頃に購入したブツなんで、もうかなり古い漫画になる。

 

 

今までの人生で何度か蔵書を売り払ったけれど、これは手元に残しておいたものの一つだ。画風だとか、話の内容だとか、人によって好みは様々だと承知している。ただ、自分にとっては手放しに魅力的な作品といえる類なんで、こうして記事にもする訳だ。

 ものすごくザックリ要約すると、訴訟社会の90年代アメリカで主人公のゴー(時田強士)が様々な訴訟にリスクコンサルタントとして関わり、個性的な登場人物と共に裁判へ臨むというのが、物語のあらすじだ。ゴー自身は弁護士じゃない。だから、法廷では彼の仲間である弁護士が弁論を振るうんだけど、裁判に至るまでのストーリー進行が小気味いい。ていうか、それ以上に登場人物がブッ飛んでいる奴だらけだから、もうそれだけで面白い。まあ、一番ファンキーなのは主人公なんだけどね。当時はリスクマネジメントなんて言葉はそれほど一般的じゃなかったんだけど、舞台がアメリカなんで、自分にとって主人公の立ち位置も違和感なく受け容れられた。

 

 

 で、随所にちりばめられジョークや軽口が、何ていうかアメリカンな感じでまた良いんだ。アメリカンジョークやアメリカのコメディ好きなンすよ、自分。ネット上に流布する噂によると、掲載雑誌の編集方針が変わったせいで連載が打ち切りになったらしい。確かに、最終話は物語全体の終幕にしては物足りない感じだった。それでも、いい作品であるのは間違いない。

信念を貫く人々

 んで、本作品には様々な人が登場する。中でも、自分の信念を貫くためなら、いわゆる「敗北」も厭わないという人物が何人も現れる。医療過誤保険に加入しない医師や懺悔の内容を決して公開しない神父がそうだし、主人公自身が信念に殉ずる覚悟を持ったキャラでもある。中年になると、信念を貫くことの難しさ、キツさっていうのが身にしみて分かる。何よりも「敗北」が、換言すれば社会的な失敗や社会的地位の転落が恐ろしくなる。だからこそ、それに怯まずに信念を曲げない人格の持ち主が出てくる本作は、余計に魅力的だ。確かに、ハッピーエンドの話ばかりじゃない。読後にもやもやしたものが残る回もある。しかし、報われるか報われないかは別にして、自己の信念に共感を抱く人がいることの素晴らしさを思い起こさせてくれる話も多い。その点でも、いい漫画だと胸を張ってお薦めしたい。

 

 

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